不妊鍼灸に必要な回数と期間は?
少なくとも「週1回の定期的な鍼灸を7ヵ月間」続けることをお考え下さい。
当院では質の良い卵子・子宮内膜を育てられるお身体づくりをしています。
良好な体調を維持するため、定期的な鍼灸を推奨します。
週1回の鍼灸が良いのはなぜ?
間を空けずにコンスタントに鍼灸を受けて頂き、施術効果を維持する必要があります。
そのため、週1回の定期的な鍼灸をお願いしています。
鍼灸によるお身体づくりは、次のようなサイクルを繰り返します。
・体調低下前に鍼灸、体調を回復させる。
・施術後の良好状態を維持、さらに鍼灸をして体調の底上げを図る。
上記の図をご覧下さい。
体調の振り幅は、ピンク色と水色では同じくらいです。
体調低下前に鍼灸をしているピンク色の方は、体調の底上げが出来ていますね。
しかし、体調低下後に鍼灸をしている水色の方は、体調の変化が見られないのが分かるでしょうか?
次の鍼灸までの期間が長くなると、思うように体調の底上げが進まず、お身体の変化に期待ができないのです。
7ヵ月の期間が必要とされるのはなぜ?
卵子の発育過程は、原始卵胞から前胞状卵胞、胞状卵胞を経て成熟卵胞になり、複数の成熟卵胞のうち主席卵胞から排卵されます。
それまでの期間は、およそ200日、約7ヵ月かかります。
鍼灸を原始卵胞の段階から受けたとしましょう。
その施術効果が排卵される卵子の質に表れるまでには、およそ200日、約7ヵ月かかるということです。
もちろん、ご年齢、今までの不妊治療歴、お身体の状態により個人差はあります。
3~4ヵ月で効果が現れる方もいます。
女性は一生分の原始卵胞を蓄えた状態で生まれてきます。
共に生きてきた訳ですから、ご自身のお身体に受けてきた影響を、原始卵胞もまた受けているとも考えられます。
そうなると、根気よく不妊治療を続けて1~2年を要する方もいます。
定期的な鍼灸以外の特別な施術推奨日
週1回の定期的な鍼灸以外にも、ぜひ鍼灸を受けて頂きたい日があります。
受けられている不妊治療の内容により変わります。
まず月経周期に合わせて何を重要視して施術をするのか説明します。
- 卵胞期(低温期):
卵胞や子宮内膜の発育を促すとても大事な時期です。
その周期の卵質、子宮内膜の状態に直結すると言ってもよいかもしれません。
体外受精の採卵周期で、今までの採卵経過が思わしくない場合、週1回以上の鍼灸が必要なこともあります。 - 排卵期:
性交渉のタイミングであり、人工授精が行われる時期です。
排卵された卵子のピックアップ、受精卵の輸送を促します。
体外受精の採卵周期では、LHサージが起こり採卵が行われます。 - 黄体期(高温期):
受精卵が子宮内膜に着床するまでの期間を着床期といいます。
排卵から7日目(±2日間)に、子宮内膜の着床の窓(Window Of Implantation、または Implantation Window)が開き、受精卵が着床します(着床日)。
着床を促すため排卵から5日後の鍼灸を推奨します。
定期的な鍼灸以外の特別な施術推奨日は次の通りです。
タイミング法
- 排卵期:排卵当日もしくは前日
- 着床期:排卵から5日後
人工授精
- 排卵期:人工授精当日もしくは前日
- 着床期:排卵から5日後
体外受精
- 卵胞期:
今までの採卵経過が思わしくない場合、採卵周期に週1回以上 - 着床期:
分割卵移植(2日目胚)…移植の3日後
分割卵移植(3日目胚)…移植の2日後
胚盤胞移植(5日目胚)…移植当日